が しかし
私用にてバタバタしていた社長は
そんなことも すっかりわすれ
想い出した頃には独り身の切なさを切々に感じるのでありました
いや んなこた どーでもいいです
営業部長に対して 事在るごとに
愛想ねー 愛想ねー と
ボヤイとる社長ですが
観察していると 毎度毎度 そーいうわけでもない
家族は別物としても 自営業ということで
毎日 毎日 お客さんと顔を合わす犬なワケだが
どうやら とても好きな人が居るらしい
その人とは
客人 N氏
N氏は我が旅館の長期宿泊お得意さん会社の社員さん
去年の夏あたりから九州から長期単身赴任で
こっちで寂しく一人暮らしをしとるのだ
ウチの旅館に宿泊してるわけではないが
男手ひとり 夕飯にも事を欠く ということで
夕食は宿泊客に混ざって ウチで食っとる次第
N氏は土日を除く平日毎日
ウチに来て夕食を食べる
滞在時間は一時間にも満たないが
営業部長 N氏が来ると そりゃもう
腰砕けで喜ぶのだ
毎日 毎日
店の表にN氏の車が止まると
その音で もう 大急ぎで もう
玄関までお出迎え
N氏が飯食っとる間 ずっと側でラブ光線を送っている
もたれかかる程に ベッタリとくっついてー
ウチの旅館には他にも
長期で泊まってる人が居てるのに
N氏だけに対する過剰なまでの接客は
なぜなんだろーう
そんな部長に首ったけのN氏は
毎日の疲れが 部長の愛想によって癒されとるというから
それはそれで 良い事なんだが
社長的視点から考察するに
部長のツボにハマる人は
ノホホンとしたオーラで 穏やかーな人 だな
口数少なく ヨークを見てハニカム程度の対応をする
ちなみにN氏
何されても怒らない 穏やかな犬に似ています

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